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ヤン・パネンカ賛

チェコの名ピアニスト、ヤン・パネンカ(1922-1999)は、スークトリオの一員として残した録音が馴染み深いせいもあって、室内楽のスペシャリストといったイメージが強く、これまで独奏は聴いたことがありませんでした。しかし、先日、久しぶりにスークとのヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタの録音(Supraphon)を聴き、一音一音が充実した演奏に改めて感心し、これならきっとベートーヴェンも良いはずと、入手可能な録音を聴いてみました。

(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第9番 ホ長調Op.14-1、第10番 ト長調Op.14-2 
 第26番 変ホ長調Op.81a「告別」
 ロンド・ア・カプリッチョ 「なくした小銭への怒り」ト長調Op.129 (輸入盤:Supraphon)

(2)ベートーヴェン:バガテル集 
 ロンド・ア・カプリッチョ 「なくした小銭への怒り」ト長調Op.129
 ショパン:序奏とロンド 変ホ長調 Op.16、幻想ポロネーズ Op.61
 シューマン:ピアノ・ソナタ 嬰ヘ長調 Op.11 (輸入盤:Panton)
 

(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集、合唱幻想曲 (輸入盤:Supraphon)
 
 以上 ヤン・パネンカ(P)
ヴァーツラフ・スメターチェク指揮 プラハ交響楽団 (3)


これらはアラウやソロモンに比肩するほどの崇高なベートーヴェン演奏といっていいでしょう。室内楽と同様、ムードや勢いに任せたようなところは一切ないが、それでいて作為も衒いもない。落ち着いた美音は、どの音域もむらがなく響き、明晰で張りがあります。正確なアーティキュレーション、音楽の縦横ともに均整のとれた解釈は、控えめながら実に練り上げられたもので、聴いていて、すみずみまで腑に落ち、身に染み渡るようです。

協奏曲は特に3番と「皇帝」が名演で、緩徐楽章の美しさには陶然とするばかり。ピアノにぴったり沿ったスメターチェクの格調高いサポートにも唸らされました。

パネンカに師事したピアニスト、萱原祐子さんが最近開設したサイトによると、パネンカはピアニストとして脂の乗り切った1978年に指の故障に見舞われ、独奏者としてのキャリアを断念したのですが、その直前、ベートーヴェンのソナタ全集の録音を契約していたのだとか。もし、これが完成していたら愛好家必携の名盤となっていただろうと思うと実に残念ですが、わずかに残されたこれらの録音からでもパネンカのベートーヴェン弾きとしての実力は十分窺い知ることができるでしょう。

また、ベートーヴェンだけでなくショパンやシューマンも良いのですが、残念ながら現在入手可能な独奏のCDはこれだけのようです。他にもヤナーチェク(霧の中で)やシューマン(謝肉祭等)の録音もあるはずで、再発を期待したいものです。
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