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2009年のディスク十選

年明けの挨拶がすっかり遅くなってしまった。
今年も気になるものを気が向くままに綴っていきますので、当会サイト共々よろしくお願いいたします。

昨年のトピックは何と言っても村上春樹の「1Q84 」。これによりヤナーチェクの知名度は格段にアップし、いまやシンフォニエッタは人気曲に仲間入りした。おかげで「えー、ヤナーチェクとはスメタナ、ドヴォジャークに次ぐチェコ第3の作曲家で...」とか言い訳がましく説明する手間が省けるようになった。今の時代は、まず検索してもらえる程度の知名度が必要なので、これは有難かった。

もちろん、当会としての成果は『ブロウチェク氏の旅』対訳解説書の刊行。実は関根先生による対訳解説の初稿は数年前から完成していたが、諸般の事情で延び延びになっていた。これは本当に難産だったが、多くの方々の助力とささやかな幸運により日本初演にギリギリ間に合った。これで主要作品はなんとか制覇し大分肩の荷が下りた気がする。

そして、私が敬愛するマエストロ、ラドミル・エリシュカ氏が我が国で広く認められた年でもあった。N響との『我が祖国』はテレビ・ラジオで放送されて好評を博し、第2弾となる札響とのライヴCDも話題となり、例年以上にメディアに取り上げられた。日本デビューから5年を経て、ようやく「幻の~」という枕言葉を不要にしたことは喜ばしい。

さて恒例の2009年の私的ベスト盤。順不同。旧録音を含み、ここで単発で取り上げたものは除外している。

1.モーツアルト:ピアノ協奏曲第20番、第23番
  アルド・チッコリーニ(P)、
  ローレンス・フォスター指揮、モンペリエ国立管弦楽団
  (Accord)

2.ドヴォジャーク:交響曲第7番、ヤナーチェク:組曲『利口な女狐の物語』
  ラドミル・エリシュカ指揮 札幌交響楽団
  (Pastier)

3.ヤナーチェク:歌劇『利口な女狐の物語』
  ヴァーツラフ・ノイマン指揮 プラハ国立劇場、
  ベーモヴァー、ドマニンスカー他(1957 モノラル)
  (Supraphon)

4.ドヴォジャーク:歌劇『悪魔とカーチャ』 
  ハラバラ&プラハ国立歌劇場、コマンコヴァー、ハヴラーク他(1957 モノラル)
  (Supraphon)

5.ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェルソナタ」、第2番「内緒の手紙」
          第2番「内緒の手紙」(ヴィオラダモーレ版)
  ディオティマSQ /G.knox(ヴィオラダモーレ)
  (Alpha)

6.ブルックナー:ミサ曲第2番、モテット集 
  マーカス・クリード指揮、SWRシュトゥットガルト声楽アンサンブル
  (Hanssler SWR Music)

7.リヒャルト・タウバー/スーパースター(10CD)
  (オペラ、オペレッタ、歌曲、映画主題歌等)
  (Documents)

8.クリスチャン・フェラス~DGレコーディングス(4CD)
  フランク、ルクー、ブラームス、シューマン等
  クリスチャン・フェラス(vn)
  ピエール・バルビゼ(pf)他
  (Brilliant Classics)

9.バルトーク:歌曲集
  5つの歌曲集op15、5つの歌曲集op16、ハンガリー民謡集
  ユリア・ハマリ(MS)、イロナ・プルニ(Pf)、
  ヤーノシュ・コヴァーチュ指揮、ハンガリー州立管弦楽団
  (Hungaroton)

10.ジョスカン・デ・プレ:ミサ曲全集第1集
  ミサ《御父の母にして娘》より
  ミサ《他の人を愛するなど》より
  サンクトゥス《他の人を愛するなど》
  ヴォーカル・アンサンブル・カペラ
 (レグルス)

番外
 マイケル・ジャクソン:THIS IS IT


1)今年のベストも昨年同様チッコリーニのライヴ録音。しなやかで色彩豊かなピアニズムの妙、気品に満ちた懐深いモーツァルトに精神的な開放感を味わう。チッコリーニが特別な境地に達した音楽家であることを示す一枚。

2)昨年の6番に続いてマエストロにドヴォジャークの魅力を教わった。マエストロの手にかかると曲が隅々まで必然的な意味を持って輝いてくる。札響の著しい伸長(特に弦!)も嬉しい。

3)4)ノイマンの『女狐』やハルバラの『悪魔とカーチャ』、ピンカスの『ジャコバン党員』等、チェコ50年代のオペラ録音を聴き漁った。こうした劇音楽に聴く呼吸感はやはり伝統芸だと思う。

5)ヴィオラダモーレ版の「内緒の手紙」が含まれた興味深い録音。演奏・録音も良い。

6)透明感を備えながらも平べったくならず、柔らかだが”ハモる”臭みがないニュートラルな響きは、ブルックナーにうってつけだった。それにしても上手い。

7)10枚で2千円以下。激安ヒストリカルレーベルDocumentsの拾いモノ。SP時代のスパースター、リヒャルト・タウバーの通俗紙一重の甘美な歌唱に痺れた。オペレッタ、歌劇、楽劇、歌曲等、みなタウバー節になってしまうのが面白い。同じシリーズのBOX、シュワルツコップのセットも良かった。このレベールの復刻の音質は大分改善されたように思う。

8)激安ブリリアントは昨年も良く買った。毎月、絶妙なリリースに感心する。クリスチャン・フェラスの美音は、私には猫にマタタビ。

9)バルトーク好きの関根日出男先生から歌曲の魅力を教わった。私もマニアを自認しつつも、恥ずかしながら今まで歌曲はノーチェックだった。これはもう入手困難だが、作品といい演奏といい堪らない魅力の名盤だ。ハマリの深い声質による歌唱とともに明晰なピアノ伴奏が素晴らしい。

10)ジョスカンのミサといえば一昔前は「パンジェ・リンガ」と「ロム・アルメ」ばかりだったが、近頃は色々リリースされている。これはなんと全18曲あるミサ曲全集の第1集で、カペラはデビュー盤と比べると若干個性が変わりざらりとした感触の響きになったように思う。国産ポリフォニーの今後の活躍に期待して一票。


番外:うんざりするほど聞かされたスリラー、整形・漂白のゴシップ。MJは関心外だったため、急逝の報には過去の王の哀れな末路といった印象しかもたなかったが、素晴らしい映画を観て認識を改めた。げにこの人は神の子なりき。晩年に至るまで進化を続けたアーチストだったとは。ファンには今更で笑われそうだが。
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