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ヤナーチェク・ブームが来るか?

村上春樹の新作長編『1Q84』による反響は予想以上に大きく、このところ当会サイトへのアクセスも急増している。そんな中、以下のような記事を見つけた。


村上春樹さん:「1Q84」ブーム過熱 発売12日目で100万部超え 作中のCDも品切れ
 村上春樹さんの最新長編小説「1Q84」(新潮社)が9日、第1・2巻で計106万部まで増刷されることに決まった。5月29日の発売から12日目でミリオンセラーを達成し、空前の大ヒットとなる。作中の音楽や村上さんの過去の著作も売れ始めており、「1Q84」ブームは過熱する一方だ。【棚部秀行、高橋咲子】

・・・・・作品の冒頭から、頻出するチェコの作曲家ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も異常な人気だ。主人公が聴くジョージ・セル指揮、クリーブランド管弦楽団の演奏を収録したCDは、注文が殺到し、ほぼ品切れの状態が続いている。

 発売元のソニー・ミュージックジャパンインターナショナルによると、同作品はCD化した90年以降、20年間で6000枚を出荷したが、「1Q84」発売後のわずか1週間で、同数の注文を受けた。追加生産中で、今週半ばには、店頭に並ぶという。制作部門を担当する小山哲史チーフは「村上春樹さんの影響は尋常ではない。小説に取り上げられて、ここまでCDが売れるのは初めて」と語った。

(2009年6月10日 毎日新聞より)

ここで私が面白いと思ったのが、セル/クリーブランド響のCDの出荷数が20年間で6000というところ。実際の販売数はこれよりさらに下回るだろう。そういうCDをちゃんと市場に送り出してくれるメーカーには改めて頭が下がる思いだ。

当会もヤナーチェク関連の出版物を自費出版している。だいたい2年毎に1000部ずつというペースで刊行し、これが10年で売りきれるかどうかというところ。ビジネスとしてはとても成り立たず、いわゆる”ロングテール”の末端に生えた毛のようなものだ。『イェヌーファ』『利口な女狐』のような人気作はともかく、『運命』『死者の家から』はまず売り切れないだろう。自宅の納戸には在庫の本が溢れ、家人にはいつも文句を言われている。

それでも、赤字も出さずに細々と続けてこられたのは、根強いファンの支援とともに、この十年間、僥倖といえるほどにオペラの上演が重なったからだ。東京交響楽団のオペラチクルス読売日本交響楽団によるヤナーチェクフェスティバルサイトウキネン音楽祭における小澤征爾による上演、日生劇場の上演等。本当に有難く思う。

今回の小説の読者は約50万人。その多くは、この小説がなければこの作曲家とは一生無縁に過ごしていたはずだ。その中で、どれだけの方が今後もヤナーチェクに関心を持っていただけるかは分からないが、この反響が今後のヤナーチェク受容の契機になればと切に願う。
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