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信時潔没後40周年

今日8月1日は「海ゆかば」の作曲者で知られる信時潔(のぶとききよし)の没後40周年にあたります。信時の作品は、学生時代に歌った歌曲集「沙羅」(木下保による合唱編曲版)の印象が強く、前々から気になっていました。信時は戦前、山田耕筰と並ぶ日本作曲界の重鎮だった割に、現在録音で聴くことができる作品は極めて限られていますが、その中から今回以下の2点を聴いてみました。

①木の葉集 信時潔ピアノ全曲集
 花岡千春(P)
 (国内盤:ベルウッドレコード)

②柳兼子 現代日本歌曲選集/日本の心を唄う
歌曲集「沙羅」
「古歌二十五首」より
 静夜思 他
 柳兼子(A) 小林道夫(P)
 (国内盤:オクタヴィアレコード)

こうして聴いてみると、どれも楚々とした佳曲ですね。日本的な要素がロマン派的な作風に無理なく溶け込んでいて、愚直なまでの衒いのなさがかえって好ましく、繰り返し味わいたくなる魅力があります。

①は本当に魅力的なCDで、とにかく花岡千春のピアノが素晴らしい。花岡氏はこれがソロデビュー盤で、これまで歌曲の伴奏などの録音をリリースしていたようですが、優れた伴奏ピアニスト、例えば私の尊敬するヤン・パネンカがそうであるように、豊かで落ち着いた音色に情感をさりげなく籠めることに長けているようで、このような特長を活かして作品本来の繊細さを十全に引き出しています。加えて演奏者自身による解説も充実しており、ジャケットデザイン、録音とも行き届いているのに好感を持ちました。この人はいつか是非ライブで聴いてみたいものです。

②は日本声楽界における草分け的な名歌手、柳兼子の83才の録音です。もちろん高齢のため声は衰えているのですが、にもかかわらず、というか、だからこそ日本語の格調高さが際立つ感動的な演奏になっています。小林道夫のピアノも清々しく、あえて余白を塗りつぶさない信時の音楽の味わいを静かに伝えています。

それにしても信時にとっていまだに殉死賛美の「海ゆかば」ばかりが有名なのは不幸なことですね。①の解説によると彼自身はむしろ戦時中に軍歌だけは書かなかったそうですが。

なお、Googleで調べたところ関連して以下のサイトが見つかりました。

信時潔研究ガイド(作曲者のお孫さんによるページ)

「海道東征」のページ(代表作、「海道東征」を聴かせるページ)


また、先日、春秋社から永らく廃版だった歌曲、合唱曲、ピアノ曲の楽譜も復刻されたようです。
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