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2012年のディスク十選

新年おめでとうございます。
今年も本サイトをよろしくお願いいたします。

さて、以下は毎年恒例で綴っている昨年の私的ベスト盤です。順不同。旧録音を含み、ここで単発で取り上げたものは除外しています。

1.ヤナーチェク:シンフォニエッタ、ストラヴィンスキー:『火の鳥』、ワーグナー:序曲集、他 /マタチッチ&N響(1965-75、ステレオ)

2.ヤナーチェク:黒い土(Cierna zem / Black Soil)

3.ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』、交響詩『野鳩』/エリシュカ&札幌交響楽団

4.ドヴォルザーク:交響曲全集、管弦楽曲集 /A.デイヴィス&フィルハーモニア管弦楽団、他(7CD限定盤)

5.リゲティ:メロディーエン、チェロ協奏曲、クルターグ:トルーソヴァのメッセージ、他 ペレーニ、エトヴェシュ&UMZEアンサンブル、ザゴリンスカヤ

6.ブルックナー:交響曲第1番(リンツ版)/ヤノフスキ&スイス・ロマンド管弦楽団

7.チェリビダッケ・ブルックナー・ボックス(3DVD+2CD)

8.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第12番、第14番、幻想曲ハ短調、クレメンティ:ト短調ソナタ /チッコリーニ(2011)

9.フランク、ドビュッシー&ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ集 /フランチェスカッティ

10.ジャン・クラ:フルート、ハープと弦楽のための作品集 /ユレル、ラングラメ、グラファン、ドマルケット、ダ・シルヴァ

番外:ラヴィ・シャンカル・コレクション(10CD限定盤)


1)いずれの曲もマタチッチらしく器量の大きな演奏で、シンフォニエッタは特に貴重な録音だ(1979年のザグレブ・フィルとのライヴ録音もあったが、かなり聴き劣りする)。マタチッチはヤナーチェクと意外に縁が深い。彼は1922年にスロヴェニアの首都リュブリャナで『イェヌーファ』を指揮し、これが最初の成功(23歳)となった。以後、このオペラを何度か振っている(先日、1961年のフランクフルト州立歌劇場での録音がリリースされた)。マタチッチがチェコ音楽をレパートリーにしたのはチェコ人歌手である妻Karla Dubskaの影響によるという(その後、3度結婚している)。ウィーンやケルンで『イェヌーファ』が上演されたのが1918年、ニューヨークは1924年なので、リュブリャナでの上演はかなり早い。

2)ブルノのJ&M Agencyによるプロジェクト「黒い土」によるCD。ヤナーチェクのピアノ曲と彼が収集したモラヴィア民謡を声楽とツィンバロンで奏している。昨年、J&M Agencyからサンプル盤を贈られ、すっかり惚れ込み、CDを取り寄せて会員にも配布した。

タイトル通り、ヤナーチェクの音楽と、それ育んだ豊かな音楽的土壌とのつながりが感じられる。演奏には、ブルノ国民劇場の歌手や合唱団が参加しており、なにより響きが自然なのがいい。ヤナーチェクとモラヴィア民謡に関する解説も充実していた。録音、ジャケットデザインも優秀。企画者のセンスが光っている。

このCDは、国内で入手困難だが、MP3ファイルがアマゾンで入手可能。手元にCDが数枚残っていますので希望者には2000円でお分けします。

3)エリシュカ&札響が満を持して臨んだ「新世界」は待たされた甲斐あって期待以上に素晴らしかった。これまで以上に、こくのある響き、繊細な表現となっており、エリシュカと札響との関係の成熟を実感する。録音が数多ある「通俗名曲」に札幌から世界標準に値する名盤が誕生したことを喜びたい。

4)ターリヒ、ノイマン、クーベリック、エリシュカ等、チェコの巨匠たちがドヴォジャークをブラームスのように彫深く鳴らしているのに比べると、英国人のディヴィスの演奏はもう少し歌謡的になだらかで柔らかいが、弦を繊細に膨らませるなどして、丁寧に内声を聴かせている。ややもすると隙が感じられる初期の作品も秀演で、ドヴォジャークへの思い入れの深さが感じられる。マルセル・モイーズ指揮マールボロ音楽祭管楽アンサンブルによる管楽セレナードがカップリングされているのも嬉しい。

5)2009年、カーネギー・ホールにおけるクルターグ、リゲティの作品展のライヴCD。独特の音響的感触があるクルターグの歌曲が特に素晴らしい。『アンナ・アフマートヴァによる四つの詩』は世界初演。

6)ヤノフスキ&スイスロマンドによるブルックナー・チクルスの一つ。巨匠然とした風格ある名演というよりは、ニュートラルにして繊細な味わいでスイスロマンドが意外な程の好演。2楽章のアダージョが特に美しく、こうして聴くと9番のアダージョと親近性が感じられる。ヤノフスキーのブルックナーには曲によって向き不向きがあるようだが、これは良かった。

7)これを聴いて、ブルックナーは当分打ち止めという気分になってしまった。それくらい圧倒的な印象。チェリビダッケの指揮姿が見物。

8)チッコリーニ86歳の最新録音はクレメンティとモーツァルト。ベートーヴェンを予感させる作品をベヒシュタインをたっぷり鳴らした巨匠のピアニズムで味わう。

9)巨匠フランチェスカッティのフランス作品集。確かな感触を備えた美しい音色。誇張のない洗練と気品が魅力的だが、地味な個性のせいか、意外にもタワーレコード企画による国内初CD化。柔らかな音色で何気なく精密に支えるバルサムのピアノ伴奏がまた素晴らしい。

10)ジャン・クラ(1879-1932)は、デュパルクと親交のあったフランス海軍の士官で、潜水艦撃沈などの武功を立て、現役の海軍少将として亡くなった。発明家でもあり、海軍に採用されたクラ式作図装置でも知られるそう。作風はフランス印象派の音楽だが、ところどころにエキゾチックな味わいが混じるのは船乗りだからか。このレーベルには他にもクラの録音があるがいずれも作品、演奏共に魅力的。

番外)昨年亡くなったインドの民族楽器シタールの名手、ラヴィ・シャンカルの激安ボックス。ジャズや邦楽、クラシックとの共演もあるが、クロスオーヴァーな音楽にありがちな異種混交のキッチュをあまり感じないのは、インド音楽が歌舞伎のようにある種の型をもって何でも消化してしまうからか。


なお、ドビュッシー・イヤーで何よりの収穫はエマールの新録以上に、安川加寿子の旧録だった。

2012bestCD



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