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高関健&札響によるトゥーランガリラ交響曲

先週の土曜、札幌交響楽団の定期演奏会でメシアンのトゥーランガリラ交響曲を聴いてきた。

第546回札幌交響楽団定期演奏会
2012年2月11日(土)15:00
札幌コンサートホールKitara

メシアン:トゥーランガリラ交響曲

札幌交響楽団
指揮:高関 健

オンド・マルトノ:原田 節
ピアノ:児玉 桃
コンサートマスター:伊藤亮太郎


オーケストラビルダー高関健の面目躍如たる秀演で、今回をもって退任する札響正指揮者としての総決算といった感があった。オケも会心の出来だったのではないだろうか。

私は、この曲が大好きで録音は何種類か聴いたが、実演に接するのは初めてだった。この10楽章80分あまりの大作は、非常に理知的に作曲された現代音楽でありながら、調性的な音型が繰り返され、まるで映画音楽のような通俗的な面白さもある。サンスクリットから造語した「トゥーランガリラ」という題名も、ウルトラ怪獣のような奇妙な妖しさを漂わせていて、独特に艶かしい音響はオタク心をくすぐる。

ステージから溢れんばかりの大オーケストラは、13種類もの打楽器(シンバルやドラムに加えマラカスや木魚、タムタム等も。なぜかティンパニーがない!)やジュ・ド・タンブル、チェレスタ、ヴィブラフォンを含み、それにピアノと電子楽器オンド・マルトノが加わる独特の編成で壮観だ。

実演に接して感じたのは、オーケストラの響きの妙。これはなかなか録音では分からないものだ。これだけの大オーケストラが、後期ロマン派のように厚ぼったくならずに隅々まで色彩的によく鳴っていて、様々な楽器の音色が塗りつぶされずにクリアに聴き取れる。正直、もっとケバケバしい音楽かと思っていたが、全体を通し響きが澄んでいて古典的な趣すら感じた(高関はプレトークで主要な音型、旋法、リズムについて説明し、「バッハを思わせる」と述べていた)。

これはメシアンの作曲の妙と共に、高関の緻密な組み上げの成果だろう。素人の耳にも高関が複雑なスコアを徹底的に分析して、見通しのよい流れに整理していたことを感じた。特に何層にも絡みあうリズム処理の鮮やかさは感嘆するばかりだった。

二人のソリスト、ピアノの児玉桃、オンド・マルトノの原田節は、さすがにこの作品を熟知した第一人者だけあって説得力があった。児玉のピアノは豊かな音色と鮮やかな技巧で強靭な要となっていたし、原田のオンド・マルトノは楽器の珍奇さ以上に表現の豊かさが印象的で、オーケストラの中での独特の音の浮き立たせ方が見事だった。

それにしても、ここ数回の高関による札響公演は一層良くなったように思う。それが指揮者のせいなのかオケのせいなのかはわからないが。高関は持ち前の堅実な構成感に加え、これまで以上に色彩感が出てきたように思う。これからも札響とは良い関係を保ってもらいたいものだ。

※ちなみに高関氏のTwitter記事によると、この曲を氏のレパートリーに加えたとのことだ。またいつかどこかで聴けるかもしれない。
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