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フランス・バロック中毒

この春からずっとフランス・バロックに中毒している。きっかけはラモーの作品を集めたOpus Arteの11枚組DVDボックスセットで、これはなんと1万円でお釣りがきた。

ラモー・オペラ・ボックス
ラモー:オペラ・ボックス(11DVD)
ラモー:歌劇『レ・ボレアド』全曲(クリスティ&レザール・フロリサン)
ラモー:歌劇『カストールとポリュックス』全曲(ルセ&レ・タラン・リリク)
ラモー:歌劇『優雅なインドの国々』全曲(クリスティ&レザール・フロリサン)
ラモー:歌劇『レ・パラダン(遍歴騎士)』全曲(クリスティ&レザール・フロリサン)
ラモー:歌劇『ゾロアストル』全曲(ルセ&レ・タラン・リリク)
ラモー:モテット、コンセール用のクラヴサン曲集&ドキュメンタリー(クリスティ&レザール・フロリサン)



これらに加えてミンコフスキの『プラテー』を観て、入手可能なラモーの映像はひと通り観ることができた。今はリュリに夢中だ。


ラモー:歌劇『プラテー』(ミンコフスキ&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル)
※このDVDはAmazonの表記とは違ってリージョン1だった。

この時代の古楽オケは、テオルボやチェンバロが効果的に絡み、衣擦れるような独特の感触が魅力的だ。オケの響きの薄さは劇的な迫力からすればハンディなはずだが、様々な工夫が凝らされた音色は細やかな味わいを生み、レチタチーヴやバレエが付くと面白さは倍加し、ザラリとした感触がむしろ生きてくる。この生理的な快感はちょっと歌舞伎に通じるものがある。

ミンコフスキは、ラモーの主要なオペラ作品とともにオペラ作品からの管弦楽集の録音を出しているが、ここで聴かれる創意工夫の多彩さは、どこかハイドンを思わせる。そういえばミンコフスキはハイドン演奏でも高い評価を得ていた。

シンフォニー・イマジネール
ラモー:サンフォニー・イマジネール (ミンコフスキ&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル)

華麗なバレエを含んだ独特の音楽劇は、演出家にとっても腕の振るいどころが多いのだろう。バロック的な壮麗さと現代的なファッションをどう両立させるのか。神話の神々が登場し、冒頭に王様へのお追従を口上として述べる導入部があるなど、現代人にはちょっと違和感のある構成のシナリオをどのように面白く観せるか。この辺を工夫した演出をDVDで観るのはとても楽しい。

フランス・バロックに凝ったおかげで、マレク・ミンコフスキ&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルクリストフ・ルセ&レ・タラン・リリクエルヴェ・ニケ&ル・コンセール・スピリテュエルユゴー・レーヌ&ラ・サンフォニー・デュ・マレヴァンサン・デュメストル&ル・ポエム・アルモニーク等、今まで馴染みの薄かった演奏家に親しむことができた。だが、何と言っても大御所、ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサンの演奏が圧倒的に素晴らしい。優れた古楽演奏家は多いが、クリスティの貴族趣味ともいえる優雅で格調高い演奏の魅力は比類がない。クリスティは、かなりマイナーな作品も含め随分多くの録音を残しているが、それらがどれも高水準なのに感嘆してしまう。

近年のフランス・バロック・オペラのブームは、クリスティ&レザール・フロリサンによるリュリの『アティス』の復活上演(1987)から始まったという。ルイ14世の御用作曲家リュリは、それまでずっと退屈な過去の作曲家と思われていたが、この公演を機に上演や録音が相次ぐことになる。
※リュリとルイ14世の関係については『王は踊る』(ジェラール・コルビオ監督)という映画がある。


この時の『アティス』上演には、マレク・ミンコフスキ(ファゴット)、クリストフ・ルセ(チェンバロ)、エルヴェ・ニケ(合唱/テノール)、ユゴー・レーヌ(フルート)、ドミニク・ジャンス(合唱/ソプラノ)が演奏者として参加していたのだから凄い。いわば、今、フランス・バロック界の第一線で活躍している演奏家の多くが、「クリスティ学校」の出身なのだ。

この『アティス』はCDになっていて、今も不朽の名盤だが、今年5月にパリで24年ぶりに再演され、DVDも出るらしい。既にYouTubeではフランスで放映された映像の一部を観ることができる。いまから楽しみだ。



なお、フランス・バロック・オペラについては、主要な作品の解説から対訳まで完備している決定版ともいえるサイトがある。詳しくはそちらを御覧いただきたい。

ルソーとフランス・オペラ~内藤義博氏のホームページ
http://rousseau.web.fc2.com/


※余談。今回の『アティス』再演のスポンサーは、石油会社の会長を務める米国の大富豪ロナルド・P・スタントン氏とのことだ。フランス・バロックは比較的マイナーな分野だと思うが、どの演奏団体も充実したサイトを持っていて、録音も意外にある。潤沢な資金をうかがわせるが、欧米には趣味のよい大金持ちというのが、まだまだ居るのだろうか。ちょっと下世話な話だが。
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