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2010年のディスク十選

昨年、当会の活動に目立ったものはなかった。いろいろ手をつけたいことはあるが、焦らずぼちぼちといったところだ。今年もチェコ音楽を主に気の向くまま綴っていくので当会サイト共々よろしく願いたい。

チェコ音楽関係のトピックとしては、なんといってもヤナーチェキアンの大恩人、サー・チャールズ・マッケラスが7月に亡くなったことだろう。最晩年まで枯れることなく溌剌とした音楽を紡いだ巨匠だった。国内に目を向けると、やはりマエストロ、ラドミル・エリシュカの活躍、そして俊英ヤクプ・フルーシャ東京都交響楽団の首席客演指揮者に就任したことが挙げられる。エリシュカと札響によるCDはこれまで4枚リリースされたが、これらは本当に世界に誇る録音だ。フルーシャはエリシュカの下で指揮を学び、来日時の記者会見では師への敬愛を語っているが、チェコ音楽の伝統が若い世代に引き継がれ、それが我が国に伝えられるならば素晴らしいことだと思う。

さて、以下は2010年の私的ベスト盤。近頃は「断捨離」という言葉が流行しているようで家人からも強く薦められているが、クラオタ心をくすぐる廉価なボックスセットがこう次々に発売されると、「不要なモノを断ち、捨てることで、モノへの執着から離れ、身軽で快適な生活を手に入れる」いう境地にはとても至れそうもない。日々の生活に追われる中、通販に依存しCDの山を築くのは、もはや業のようなものかと思う。順不同。旧録音を含み、ここで単発で取り上げたものは除外している。

1.ヤナーチェク:歌劇『ブロウチェク氏の旅』/マッケラス指揮 プラハ国民劇場(2004)(Praha ND,2CD)

2.モーツァルト:ピアノ協奏曲集(17,18,19,20,23,24,25,27番)/リチャード・グード、オルフェウス室内管弦楽団
 (WARNER X TOWER RECORDS/Detour Collection,5CD)

3.ドヴォジャーク: ピアノ曲全集/クヴァピル(Supraphon,4CD)

4.アリシア・デ・ラローチャ イスパボックス、EMI録音集(EMI,8CD)

5.ハイドン: ピアノ三重奏曲全集/ボザール・トリオ(Philips,9CD)

6.愛の手紙~イタリア初期バロック・アリア集/コジェナー、プリヴァーテ・ムジケ(DG)

7.DIE GROSSEN PREMIEREN 歴史的録音集(レハール、ベナツキー、他) (Documents 2CD)

8.ショパン:夜想曲&前奏曲集/アスケナーゼ(DG)

9.Prague - The Baroque Golden Age/Pavel Kohout(org)

10.W.バード:宗教音楽集第13巻/カーウッド&カージナルズ・ミュージック(Hyperion)

番外:
FOLK MUSIC IN CZECHOSLOVAKIA 1929-1937 /RECORDINGS OF PHONOGRAPHIC COMMISSION OF CZECH ACADEMY


1)プラハ国民劇場が資料用に自主制作したCD。知り合いのチェコ人から頂いた。ヤナーチェク生誕150周年の2004年にプラハ国民劇場で上演された際のライヴ録音。至難なオーケストレーションをしっかり聴かせるマッケラスと国民劇場オケが見事。キャストも安定しており、イーレクの名盤(Supraphon)に匹敵する。期待通りの素晴らしさだ。

2)タワーレコード・オリジナル企画による再発。何気ないようで趣味が良く、細部に到るまで腑に落ちる理想的なモーツァルト。グードのピアノの音色とタッチ、オルフェウス管のピリオドと無縁な洗練がいい。

3)スプラフォンの再発ボックス。クヴァピルの名人芸を追いかけた一年だった。曲、演奏者共にもっと評価されてもいい。

4)ラローチャが1950年代から60年代にかけて録音したスペインもの。鮮やかな技巧、洗練されたセンスに唸る。ただし録音はEMIらしく寸詰まりの割れ気味で残念。

5)昨年は今更ながらボザール・トリオに凝った。中でもこれがヘビーローテーション。別に新録でも新たな再発でもないのだが。昨年末のA.メネセス&M.プレスラーの来日公演は大好評だったとのこと。もし東京にいたら同日のフルーシャ&都響(グラゴル・ミサ)をおいてでも聴きに行ったのに!

6)やはりコジェナーは良い。ラテン系の歌手ならばもっと澄まして洗練された歌唱もあるだろうが、コジェナーの歌唱は、彼女らしい伸びやかさが好ましい。プリヴァーテ・ムジケも大道芸的な味わいが絶妙。

7)タウバー、レーニャ等のスターが揃った戦前のオペレッタの歴史的録音集に耽溺する。ロックに席巻されていなかった古き時代の通俗味は、ヒストリカルなクラシックの味わいにも通じるものがあると思う。録音状態良好。

8)ショパンの記念年だったため貴重な録音の再発が多かった。ユニバーサルの国内廉価盤シリーズは、アスケナーゼ、モラヴェッツ、マガロフ、エッシェンバッハ、ダヴィドヴィッチ等の渋いラインナップ(これで商売になるのか?)。中でも初めて聴いたステファン・アスケナーゼ(1896-1985)はポーランド出身のユダヤ人で戦後ベルギーで活動したピアニスト。ホールではなくサロン仕様のショパンは、ふと言い淀むように慎ましく歌う風情に味がある。朗読会を聴くように落ち着いていてけっして雄弁ではない。巨匠芸ではなく聴き流せる趣味の良いピアニズム。こういうショパンも良い。

9)チェコ人のオルガニスト、パヴェル・コホウトは昨年11月に来日し、札幌の教会で開かれた演奏会を聴いた。これはその時に入手した一枚。ゼーガー、ケルル、ムファ等のボヘミアン・バロック作品を修復されたティーン教会のオルガンで演奏したこのCDは資料用のつもりだったが、柔らかで幻想的な響きに聴き惚れた。最近、リリースされたバッハも良かった。彼には是非、大舞台のオルガンで日本デビューして欲しい。



http://www.youtube.com/watch?v=jfmlQ7z13D0

10)2010年のグラモフォン賞に輝くカージナルズ・ミュージックの録音。3、4、5声のミサで名高いバードのラテン語宗教曲はキャロルの国の作品らしく耳に心地よいが、なかなか渋い。


番外:これもチェコの知人から頂いた一枚。チェコスロヴァキア科学学会の蓄音器委員会がモラヴィア、ボヘミアの民俗音楽を戦前に採取した録音の復刻。ライナーノートの解説・図版が充実し、録音状態も良好。ヤナーチェクも魅了されたであろう素人歌手の飾り気ない歌声が心地良い。
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