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『中国の不思議な役人』組曲のポケットスコア

中国の不思議な役人
全音楽譜出版社からバルトークの『中国の不思議な役人』組曲のポケットスコアが発売された。これは先日の記事で紹介したバルトーク・レコーズ・ジャパンの代表、村上泰裕氏の解説・校訂によるものだ。


ゼンオンスコア
バルトーク:《中国の不思議な役人》組曲


村上泰裕・渡辺純一 校訂
A5判/176頁
価格:2415円(本体2300円)(税込)
JAN:4511005075680
ISBN:ISBN978-4-11-892530-1

ポケット・スコアとしては世界初出版となるベーラ・バルトークの傑作『中国の不思議な役人』の演奏会用組曲のスコアです。
世界中で広く演奏されている「組曲」ですが、スコアの出版は、作品が作られた初期に発行された指揮者用の大型判を除いてはこれまで全くありませんでした。

今回、作曲者の次男で録音技術者として知られるペーテル(ピーター)・バルトークと交流のある校訂者によって、最新の最も信頼できるスコアが完成しました。
校訂者による作曲の背景,ドラマのあら筋,上演の経緯などの詳細な解説およびスコアの校訂報告を、自筆スコアの資料などを添えて掲載しています。(出版社のページから引用)



これは渾身の労作だ。

『中国の不思議な役人』は1幕のパントマイムのために書かれたバルトーク円熟期の傑作。その筋書きは、金品を奪うよう3人の悪党から強いられた少女が辮髪姿のマンダリン(中国の官吏)を誘惑し、3人とともに嬲り殺しにするが、欲情したマンダリンは少女を求めて何度も立ち上がるというもの。

この作品は、グロテスクで暴力的な内容から長く偏見にさらされ、バルトークの作品のなかでも特に不遇であり、楽譜にも不完全な版が慣用されるなど問題が多かった。また、一般の愛好家にも管弦楽のための協奏曲のようなとっつき良さがないため比較的人気がなかったと思う。

私も、これまでバルトーク独特の強烈な響きに痺れながらもパントマイムの筋をよく理解して聴いているわけではなかったので、各場面を譜例を示し詳細に解説した本書は大いに有り難かった。原作のあらすじや作品成立の経緯、我が国における受容等の情報が充実し、詳細な校訂報告も添えられているので学術的な価値も高いと思う。ポケットスコアには海外楽譜のリプリントと思われる印刷の荒いものも少なくないが、スコアも美しく見やすい。これは本当におすすめの一冊だ。

本書はこの作品のポケット・スコアとしては世界初になるため英文解説も添えられている。世界レベルの一冊を狙った山形のBartokianの情熱には心から脱帽する。北海道のJanáčekianも頑張らなければ。

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