スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

武満徹の「ファミリー・トゥリー(系図)」

先の日曜の晩、選挙特番に飽きてチャンネルを切り替えたらN響アワーで武満徹の特集をやっていた。題して「武満徹と映画音楽」。しまった、こちらを観ればよかったとすぐに思った。放送された曲目は次の通り。

ノスタルジア
 ~アンドレイ・タルコフスキーの追憶に~ ( 武満徹 作曲 )
バイオリン: 堀 正文
指揮: 尾高 忠明
[ 収録: 2010年5月14日, NHKホール ]

3つの映画音楽 ( 武満徹 作曲 )
指揮: 広上 淳一
[ 収録: 2010年1月20日, サントリーホール ]
 
「ファミリー・トゥリー (系図)」 から
 「むかしむかし」「おかあさん」「とおく」 ( 詩:谷川俊太郎 / 武満徹 作曲 )
語り: 遠野なぎこ
アコーディオン: 御喜美江
指揮: シャルル・デュトワ
[ 収録: 1997年6月18日, NHKホール ]
管弦楽 :NHK交響楽団


私が観始めたのは、「3つの映画音楽」の後半からで、広上淳一のやんちゃな指揮ぶりを面白く眺めていたが、次の「ファミリー・トゥリー (系図)」 にはすっかり参ってしまった。

これは詩のナレーションが付随する6曲20分ほどのオーケストラ曲で、武満の合唱曲(「小さな空」等)のように少々臆面もないほどに沁みるような感傷性を含んでいる。終曲にはアコーディオンが加わるが、これは武満がジム・ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」のために書いたが結局ボツになってしまった曲を挿入したもので、郷愁を感じさせる甘いメロディは武満のお気に入りだったという。こういう音楽を好きだというのは少々照れ臭いのだが、オケの精妙で色彩的な響きと、思春期の少女独特の不安定さと集中力を感じさせる遠野なぎこの見事なナレーションにノックアウトされてしまった。この作品には映像もあるらしく番組でも一部が紹介されていた。

早速、CDを探して取り寄せた。

●武満徹:系図(ファミリー・トゥリー) -若い人たちのための音楽詩-
岩城宏之指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢
ワーナーミュージック・ジャパン

この録音のナレーションは吉行和子。さすがに巧いが少々朗読調で、少女の声のようなどきりとするような生々しさはなく、遠野なぎこを聴いた後では正直物足りない。オーケストラ・アンサンブル金沢の室内楽的な響きは十分美しく(※オーケストラ・アンサンブル金沢に合わせ岩城が小編成用に編曲している。)、岩城の指揮もデュトワに比べるとずっと情緒的な共感があって良いのだが。

この作品は、変則3管という編成の大きさにもかかわらず(ブルックナー、マーラー級の規模)、水彩画のような透明感が特徴的なので、ライヴで聴くとまた印象が変わるだろう。いつか実演に接してみたいものだ。今ならナレーションは誰がいいだろう。成海璃子、いや多部未華子だろうか。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

プロフィール

Pilsner

Author:Pilsner
発話旋律 "Speech Melody"
日本ヤナーチェク友の会公式サイト管理人Pilsnerのブログ
チェコ音楽を中心にした音楽雑記帳です。
The blog by the chief manager of Janáček Association Japan
http://twitter.com/#!/janacekjapan

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Visitors
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。