スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クヴァピルのショパン

kvapil_chopin
ピアニスト、ラドスラフ・クヴァピル(Radoslav Kvapil, 1934年ブルノ生)は、チェコ音楽の世界的権威として広く認められている。そのため、彼のディスコグラフィは、ほとんどがチェコ作品で占められ、その中にはヴォジーシェク、ドヴォジャーク、ヤナーチェク、マルチヌーのピアノ曲全集が含まれる。

しかし、前回書いたように、これだけ巧みな語り口ならばチェコ音楽以外のレパートリーも聴いてみたくなる。今のところ入手可能なのは、ショパンの練習曲集のみで、既に希少盤になっているようだ。早速、取寄せ聴いてみたが、期待にたがわずとても面白い。このCDは以下のサイトで一部を試聴できる。

F. Chopin - Les Etudes, Trois nouvelles Etudes
Radoslav Kvapil(Piano)
Russian Compact Disc
ID: RCD30109 (EAN: 4600383301099) | 1 CD | DDD
Recorded 1997
http://www.russiancdshop.com/music.php?zobraz=details&id=19471&lang=en


クヴァピルは、90年代、ショパンがジョルジュ・サンドと過ごしたフランスの小村ノアンで開催されるショパン国際ピアノ音楽祭においてショパンを集中的に演奏しており、このCDもその時期に録音されたものだろう。

ここでもクヴァピルは、彼らしくドヴォジャークを弾くような流儀でショパンを演奏している。最も有名な「別れの曲」(Etude in E major Op.10 No. 3)も、滑らかなレガートでロマンチックに歌うのではなく、訥々と一音一音を響かせ独特の味わいを出している。まるでユモレスクを弾くかのようなタッチだ。こういう演奏で聴くと、クヴァピルの個性という以上にショパン作品とチェコのピアノ曲の親近性が感じられ、ショパンのまた違った面に光があてられているようで興味深い。

一応、ショパンとチェコの作曲家たちの年代を見てみると次のとおりとなる。

ヴォジーシェク(1791-1825)
ショパン (1810-1849)
スメタナ(1824-1884)
ドヴォジャーク(1841-1904)
フィビヒ(1850-1900)
ヤナーチェク(1854-1924)
スーク(1874-1935)

ヤナーチェクは晩年、ニューヨーク・タイムズのインタヴューに答えて、最も評価する作曲家として、作風に影響されたことはないとことわりつつ、ショパンの名を挙げている。この答えは、私には随分意外に感じられたのだが、ヤナーチェクに限らずショパンの音楽がチェコ人から特に愛好されたのは間違いないだろう。(もっともチェコに限らずショパンが愛好されなかったことなどないのかもしれないが。)

ショパンともなると古今東西の名盤が綺羅星のごとくあり、主要な演奏については既に語り尽くされた感さえあるが、クヴァピルのショパンは隠れた名盤であり、ショパン解釈に違った視点を与えるものだと思う。

※ちなみに、このCDのライナーノートによるとクヴァピルは1996年にシューベルトの作品を録音しているが、これは廃盤で入手困難。また同年録音されたヴチェスラフ・ノヴァークの作品集のCDでは、独奏曲「冬の夜の歌」と共に、スロヴァキア民謡集の伴奏を弾いていて、有名になる前のマグダレナ・コジェナーが歌っている。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

プロフィール

Pilsner

Author:Pilsner
発話旋律 "Speech Melody"
日本ヤナーチェク友の会公式サイト管理人Pilsnerのブログ
チェコ音楽を中心にした音楽雑記帳です。
The blog by the chief manager of Janáček Association Japan
http://twitter.com/#!/janacekjapan

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Visitors
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。