スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリストファー・ウォレン=グリーンの「春の祭典」

例年になく寒い春だ。桜も梅も開花はGW明けになるだろう。今年はどこに出るでもない巣篭もりの休日だが、昨日は陽気に誘われてKitaraへと足を運んでみた。

●きがるにオーケストラ~大作曲家の世界
日時:2010年5月 3日 14:00~
会場:札幌コンサートホールKitara大ホール

演奏:
クリストファー・ウォレン=グリーン指揮 札幌交響楽団
ピアノとお話:中川賢一

曲目:ブリテン/青少年のための管弦楽入門
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

これはファミリー向けに行っているKitara主催の企画コンサート。難曲「春祭」を「きがるに」というのも凄いプログラムでオケは大変だろう。とりあえず「春祭」さえ聴ければと呑気にかまえて出かけたのだが、これが随分充実した内容で驚いた。

指揮者のクリストファー・ウォレン=グリーン(Christopher Warren-Green)について予備知識は全く無かったが、相当に経験豊かで実力のある指揮者だ。素人目に観ても明確なタクトはツボを心得えていて、指揮ぶりを眺めているだけでも面白かった。

演奏前には中川賢一氏によるピアノを弾きながらのトークがあり、これが楽しく充実したものだった。「春の祭典」は、はじめて聴くには難しい曲だから親切な配慮といえるだろう。中川氏が平易な言葉で繰り返していたのが「色を混ぜる」ということ。「この和音は単純できれい。例えばこれがアカ、こちらはアオ。これらを混ぜると、ほらムラサキですね」という具合。音楽を頭で理解しようとするのではなく、素直に感じながら色々発見してみようという説明は良いものだった。

今回、ウォレン=グリーンの指揮では、まさにパレットの色彩を混合させながら変化させていく楽しさが感じられた。この曲を以前、日本人指揮者で聴いた時には、土俗性を強調するためか伊福部風にリズムを揉むところがあり、少々もっさりした感があったのだが、今回はエッジがすっきり浮き出ていて、それにより各声部がぶつかり散っていく際の響きの妙が面白かった。このような見通しが良いアンサンブルで聴くと、ロシア的な民族性とフランス風の洗練の両方が感じられ、これこそがストラヴィンスキーの醍醐味なのだろう。

ウォレン=グリーンは元々ヴァイオリニストで、長年フィルハーモニア管のコンマスを務め、指揮者としては1988年からロンドン室内管弦楽団(LCO)の音楽監督が中心で録音も多い
http://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_Warren-Green

コンマス出身の指揮者というと、日本のオケにもしばしば客演し尊敬を集めているゲルハルト・ボッセを思い出すが、ウォレン=グリーンもオケ奏者に好評だったようで、札響首席フルート奏者の森氏も絶賛している。1955年生まれだから、まだ55歳。この名前は覚えておきたいし、定期演奏会への登場も期待したい。

客入りは6割程度で子供が多かった。身を乗り出して聴く子、やかましいとばかりに耳を塞ぐ子、寝ている子など反応が様々で面白い。ファミリー向けの企画だが下手に子供受けを狙った曲ではなく、こういう傑作をガツンと聴かせる方が、よほど教育的だろう。マナーも案外悪くない。質が悪いのはむしろオヤジ層なのだろう。前回4月の定期では、終演直後、「ブラボー」という言葉にさえならない奇声の炸裂にギクリとした。いい歳をして、ああいうのは本当に勘弁して欲しいものだ。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

プロフィール

Pilsner

Author:Pilsner
発話旋律 "Speech Melody"
日本ヤナーチェク友の会公式サイト管理人Pilsnerのブログ
チェコ音楽を中心にした音楽雑記帳です。
The blog by the chief manager of Janáček Association Japan
http://twitter.com/#!/janacekjapan

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
カテゴリ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

Visitors
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。