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エッシェンバッハによる戦争セット

尊敬する音楽家、クリストフ・エッシェンバッハによる待望の新譜がリリースされました。今回は2003年来、音楽監督を務めるフィラデルフィア管弦楽団とのライヴ録音です。

・マルチヌー:交響詩『レヂツェ追悼』
・クライン:弦楽のためのパルティータ(サウデク編曲)
・バルトーク:管弦楽のための協奏曲

フィラデルフィア管弦楽団/クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
録音:2005年5月 フィラデルフィア、ヴェリゾン・ホール[ライヴ]
(輸入盤 SACD Hybrid:ONDINE)ODE1072
 

これらは全て大戦に関わる曲。マルチヌーの「リヂツェ追悼」は、ナチスへの抵抗の報復としてプラハ近郊の村、リヂツェが消滅させられた事件にまつわる作品(日本マルチヌー協会のサイトに関根日出男先生の解説があります)。ギデオン・クラインはテレジン収容所に送られアウシュビッツで25歳の生涯を閉じたユダヤ系のチェコ人作曲家。そして「管弦楽のための協奏曲」は、亡命先の米国で困窮の末、客死したバルトークの事実上の遺作。

このようなプログラムをポーランドの戦争孤児だったエッシェンバッハが組むのだから、その意図を量らずにはいられませんが、そうした先入的な知識を抜きにしても、いかにも彼らしいシリアスな響きに打たれます。

「リヂツェ追悼」は、失われた"故郷の村"への思いを抑えた静かな表現で痛切に歌っています(アンチェル盤のほぼ倍のテンポ!)。クラインの曲は、青年作曲家の才気を感じさせる音楽。しかし、なんといっても聴き応えのあるのは「管弦楽のための協奏曲」でしょう。この曲は米国の聴衆受けするようオケの名技性に焦点を置いた曲のように思っていましたが、フィラデルフィア管弦楽団は当然のように技術的な面はクリアしつつ、もっぱらエッシェンバッハの辛口のアプローチに奉仕しているのが感動的です。あくまでもストイックなエッシェンバッハと華麗なフィラデルフィアの組み合わせは、案外、幸せな結婚かもしれません。今後の録音も楽しみです。
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